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痙縮に対するボツリヌス療法(小児・成人)


小児

ボツリヌス療法とは

ボツリヌス菌によって産生される神経毒素の一つであるA型ボツリヌス毒素は、筋肉内に注射することで、筋肉に指令を出す神経に作用し、その筋肉の緊張をやわらげることができます。

この効果を利用して、ボツリヌス毒素を成分とする「ボトックス(R)」という医薬品を、上肢・下肢・首・肩・背中などの筋肉に直接注射すると、関節が動きやすくなり、異常な姿勢や運動機能を改善させることができます。見た目に姿勢や運動機能が変わらなくても、筋緊張による痛みが改善したり、まとまった睡眠がとれるようになったり、呼吸が楽になったり、嚥下が上手になったり、介護が楽になったりと、いろいろな効果が得られることがあります。

治療と効果

小児の場合は一度に投与する薬の量は体重によって調整しています。成人の場合は使用量の上限が決まっています。薬の効果はかなり個人差がありますので、初回は少量から開始します。一度に多量の薬を使うことはできませんので、目的に応じて、効果的と思われる部位を選択して複数箇所に分散して注射をします。

効果は注射後、数日から2週間で現れ、通常3~4ヵ月持続します。1〜2ヵ月をピークに、時間が経つにつれ徐々に効果は減弱消失してきます。再投与することで再び効果は現れますが、薬に対する抗体が体内に産生されないように、投与間隔は最低でも3ヵ月は空けるようにします。

副作用として報告されている事象の多くは、薬の効果が予想以上に強く表れたことによるものですので、薬の効果が弱まるとともに副作用は消失します。注射部位や筋肉の痛みをしばらく訴える人がまれにいます。

ボツリヌス治療は保険適応の治療ですが、比較的高額なため、事前に充分な説明を受け、納得してから治療されることをおすすめします。

当センターでの実績

センターでは2006年から、主に脳性麻痺等の小児神経疾患を原因とする、上・下肢の痙縮(特に尖足)と、全身的な(特に首・肩・脊柱・股関節)筋緊張亢進に対して、年間約230件の治療を行っています。

小児神経疾患のボツリヌス治療は、小児整形外科医と小児神経科医が「ボトックス外来」として毎週金曜日の午後に行っています。

ボツリヌス治療についてご相談のある方は、あらかじめ小児整形外科あるいは小児神経科のボツリヌス治療担当医師の外来を受診して下さい。医師による診察と説明を受け、理学療法士ないしは作業療法士の評価をうけてから、ボツリヌス治療の予約をお取りします。

成人

痙縮とは

痙縮は脳卒中、脊髄損傷、神経疾患によって生じる運動機能障害のひとつで、筋肉が緊張しすぎて手や足の動きが硬くなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。手の指が握りこまれて開こうとしても開きにくい、肘が曲がって伸びない、足が伸びきって曲がらないなどの症状がみられます。

痙縮に対するボツリヌス療法とは

この痙縮を改善する治療の一つとしてボツリヌス療法があります。ボツリヌス療法として保険診療で認められている薬にはボトックス注射液があります。この薬はA型ボツリヌストキシンという天然のタンパク質を有効成分とする薬です。このタンパク質のごく少量を緊張している筋肉に直接注射するとその筋肉がゆるみ、緊張やけいれんを改善することができます。

治療と効果

この薬の効果は注射後2-3日から2週間で現れ、通常3~4ヵ月持続します。その後時間が経つにつれて徐々に効果が消失し、神経の働きが回復してくるため、注射前の状態が再び現れてきます。この場合、ボトックスを再投与することで同様の効果が現れます。

副作用について

副作用として報告されている事象の多くは、薬の効果が予想以上に強く表れたことによるものですので、薬の効果が弱まるとともに副作用は消失します。注射部位や筋肉の痛みをしばらく訴える人がまれにいます。
痙縮に対するボツリヌス治療は、リハビリテーション科医が「ボトックス外来」として毎週月曜日の午後に行っています。

痙縮に対するボツリヌス治療についてご相談のある方は、総合相談部にご連絡のうえリハビリテーション科医師の外来を受診して下さい。医師による診察と説明を受け、治療の適応があると判断した場合には、ボツリヌス治療の予約をお取りします。